60代後半の女性の方のお話し相手にお部屋に伺いました。
「梔子の花が咲くころね。私ね、あの香りが大好きなの」
ちょうど自宅に鉢植えの梔子が咲き始めています。
翌日、お持ちしましたところ、急に激しくせき込んでしまいました。
「大好きな花なのに、病気になると好きな花にも嫌われて悔しい」
喜んでいただきたい気持ちが一変しました。
「香り」が強すぎたのです。
せき込んでも、傍に飾っておきたいと希望されます。「花弁の一片を
残してはいかがでしょう」と提案しました。
「今の私には、十分よ、これならせき込まないわ、ありがとう」とほのかに漂う梔子の甘い香りに笑顔を取り戻していただきました。