岡山県の百名山の一つと言われる阿部山に、現在は休校になっている「鴨方西小学校阿部山分校」がある。
休校中の分校の校庭を前に、一瞬、私は何とも言えない感動を覚えた。
朽ちかけている校舎といい、校庭の周囲は見上げんばかりの立派な桜の木が広がっている。
何処からとも無く、子どもたちの元気な声が、今にも聞こえてくるような錯覚に襲われた。
校舎といい、校庭といい、その佇まい全てが映画の世界にいるような、至福の時間でした。
小さな昭和の小学校には、私たちが忘れかけている大切な宝物がギュッと詰まっているように、私には思えた。
昭和19年4月から昭和48年で、休校になるまでの29年間の歴史から、休校中とはいえ、分校とはいえ、私には心の拠り所になるような、安らぎと存在感を覚える。
秋色に染まった分校は、「あさくちブルー」のもとで、どのようなドラマを繰り広げてくれるだろうか。
今から楽しみにしているほど、私は魅せられた。