久し振りにのんびりと週末を過ごすつもりでした。さてさて今日は何をしようかなと、思いながら何気なくテレビから、「バナナが食卓から消える」と流れています。私は突然のことで自分の耳を疑いました。
「新パナマ病」というバナナにとっては致命的な病気だと分かりました。
咄嗟にバナナについてある新聞記事を思い出しました。整理しているのですが、まだセピア色になった新聞の切り抜きまでは手をつけていない状態です。かなり思い切りよく処分しているつもりですが、思い出した切り抜きは残してあったはずと、のんびりする筈の予定は消え、記憶をたどり、やっと見つけました。
2000年1月22日の日経新聞に「あの時の一品」欄に、俳優の大和田獏さんが「ご褒美のバナナ」についての思い出を書いたものです。
当時小学校の低学年で、彼は父親からご褒美にバナナを買ってもらうことで、福井県駿河市の地方都市ではバナナは高根の花で、なかなか手に入ることは難しく、しかも日曜日だったそうです。心当たりを数軒探したそうですが見つからず諦めた時に、パチンコ店の賞品ケースに一房のバナナがありました。彼の父親はパチンコには興味がない筈が店に入って賞品のバナナを売って欲しいと交渉したそうですが断られました。何と彼の父親はバナナに相等するパチンコの玉を買うと、思いがけない交渉です。
約束を守ってくれた父親の背中が大きく見えたと、バナナを見る度に思い出すと結んでいます。