22年前の出来事

今から22年前の1994年5月23日月曜日7時50分、仕事に出掛けようと自宅の鍵を閉めようとしたその時です。電話がかかってきました。受話器を取り上げた先からは、息が止まるような内容です。わずか自宅から50メートル先で、自転車に乗っていた父親とワゴン車がぶつかった知らせでした。

自宅からせわしく回る救急車の赤色灯が目に入りました。
事実です。私は父親の全ての病院の診察券と保険証と印鑑そして自宅にあるだけの現金を持って駆けつけました。
救急隊員からは、引受先の医療機関がなくてとのことです。私は、父親が診察実績のある診察券を渡しました。救急隊員が、その中から一つを取り出して私に質問で、その医療機関は、年甲斐もなく、周囲の反対を押し切って梯子から転落した時に処置をしていただいた先の診察券でした。その際に救急での履歴があることで、すぐ引き受けてくれました。
救急車に同乗している時、なぜか小さな枇杷の実が目に入りました。もし快復したら、疎開先で枇杷の実で空腹を満たしていた父親に、間もなく旬の枇杷を食べさせたいなんて、思う冷めた自分がありました。
5月22日に偶然にも、枇杷の実を見つけました。