ススキの値段

今日は「中秋の名月」と「十五夜」が重なるという珍しい日だそうです。

かつて、緩和ケア 病棟(ホスピス)では毎月季節の行事を行いますが、9月は「お月見」です。
ご存知のように、お月見にはススキとお団子を用意するのですが、一歩郊外に足を運べばススキが簡単に手に入ります。
ところが、都内ではなかなか、お月見の行事に合わせることは困難な為に、事前に花屋さんに依頼しておきます。
最初のお月見の時のことです、予約していた花屋さんに行くと、既に持ちやすく包装済みでした。
依頼したススキは10本です。花屋の店主いわく、「ありがとうございます、10本で4000円です」
思わず私はのけぞりました。「エッ、1本400円ということ?」絶句してしまいました。
その時懐かしいススキの思い出が頭をよぎりました。
未だ、美術の仕事をしている頃、毎週のように通い続けていた、龍ヶ崎カントリークラブには常磐線の佐貫という駅からクラブバスを利用することが常でした。
ところが、その日はプレー後の集まりでクラブバスに乗り遅れ、龍ヶ崎にお住いのメンバーの方に龍ヶ崎の駅まで送っていただきました。
駅の柱にポリバケツにススキが沢山あり、その柱には「どうぞよろしければお持ち帰りください」との貼り紙があります。なんとも言えない土地の温もりを感じました。
今となってはススキあっての季節の思い出です。