天高く、気持ちの良い朝です。思い切って衣替えの季節かなと思うものの、まだ暑さが勝っています。
昨夜から、友人が「久しぶりに有島武郎の本を読んでいるけど、読み終わったから、あなたも読んでみない、懐かしいでしょ」と渡されていたのを思い出し、衣替えをする気持ちにもなれず、パラパラとページをめくりながら、既に忘れていた懐かしい作家です。
ハルキ文庫から出版されたハンディーでリーズナブルな280円文庫で「一房の葡萄」から始まり、最後は「小さき者へ」まで6編の短編集で、思わず引き込まれて読み始めています。
読んでいるうちに、かつての読後感とは異なっていることに気がつきます。
特に「小さき者へ」は、この歳になると細かい父親の息づかいを感じ、確か記憶を辿ると最初は父親から渡されたのでした。
お恥ずかしい結果ですが、急に葡萄が食べたくなり、日傘をさし、スーパーに出かけたのです。
やはり、胃袋は正直に天高く食欲の秋です。