今日は「文化の日」。
「文化」について忘れられない思い出があります。
入院中の方をお訪ねして、日常的なお話をさせていただいています。
「今朝から食欲がなくて」「今日は文化の日を祝って、普段より何かつくのではないでしょうか。召しあがれるものがあるといいですね。ところで、病院食にも箸置きがあると食事が進みませんか」
その方から思いがけない返事が返ってきました。
「日常的に食事の際は、箸置きが当たり前の家庭で育った人と、そうでない人との違いを私は家庭の文化の違いと言っています」
いつも穏やかな口調で話される方が、ベッドから乗り出すようにして、強い口調でした。
さらに「文化の違い、特に家庭の文化の違い、これだけはいけません」
その方が、今、家庭の文化について心を痛めていらっしゃることが、私には何かはわかりませんが、家庭にも長年培われてきた文化があるように思いました。
今は既に死語になりつつある「家風」といわれるものではないでしょうか。