ままかりの酢漬けとサヨリの刺身

前日16日の夕刻、予想はしていたが、全国に向けて緊急事態宣言拡大のニュースに、嗚呼、等々猶予できない状況になったんだと、受け止めていた。

翌日、兎に角この自閉生活から一瞬でも、外の空気に触れたく、目的もなく、唯、気がつくと、歩いていた。

不思議といつもの歩き慣れた道を歩いている先に、スーパーが目に入った。
然程の混雑もなく、此れもまた、求める物もなく、店内を歩いていた時である。

そうだ、益々、外出を始め、規制が厳しくなるなあと思っていた先に「ままかりの酢漬け」に、即座に反応した私は手に取り、更に、もしかして、「鰆の刺身」はと刺身コーナーに足を急いだ。

残念ながら鰆の刺身は無かったが、目を転じた先に「サヨリの刺身」をみつけた。
茨城産であったが、今後いつふるさとで、味わう日が来るか分からない。

茨城産のサヨリなので、迷いがあったが、頭の中には、ふるさとの味を思い出している自分にがいる。

今夜の夕食は、「ままかりの酢漬け」と「サヨリの刺身」で、日を追って遠くなっていくふるさとを思い出すとしよう。

曾て、そう言えば「最後の晩餐」と言った番組があったと思い出したが、不思議にも悲壮感はなく、もうこれで良しと、スッキリ感を感じる。

これも自粛生活で、遮断されていた生活から、抜け出した僅か一時間程の時から、自粛生活あっての賜物と、妙に、謙虚に受け止め、これも何かの経験で、必ずや、いつか役に立つだろうと、想っていた。