ドクダミの花

梅雨の晴れ間という表現が相応しいだろうか。

 

昨日に続き、洗濯日和に、室内干しからお日様に日光消毒をした洗濯物には、気持ち良くてよくて晴れ晴れとした。

 

これまで怠けていた一万歩の散歩を午前と、午後の2回に分けてトライすると、何と木陰にはドクダミの群生を、多く見かける。

 

木陰の湿気の多い土地に、深緑の葉に白い花が綺麗に生えて見える。

今年ほど、多くの生き生きとしたドクダミを見たのは、初めてと思う程に

今、真っ盛りである。

 

この「ドクダミの花」について、かつて銀座で美術の仕事をしている時、

出会いの経緯は忘れたが、ある青年が、「ドクダミの花」の油絵の小ぶりの作品を持ってきた。

 

バックを深いダークブラウンで抑え、確か、一輪のドクダミの花を描いているが、なんとも言えない魅力を感じた私は、即、展示した。

 

その後、彼から、父親も画家で、父親の画集を作りたいと、作品を集め、

目下、最終段階に来たという。

 

然し、まだ、彼の作品は、残念ながら、市場では、経済的に苦しく、毎日、カップラーメンを食事として続けているうちに、体調を壊したと打ち明けた。

 

然し、父親の画集を完成したいとの熱意に、私は、彼の作品が楽しみになり、定期的に彼に作品を依頼してきた。

 

ある日、作品以外に、一冊の画集を持ってきたのである。

長年、食事まで切り詰めて頑張った亡き父親の画集が完成したのである。

 

今年のドクダミの勢いを見て、私は美術の世界から退却したが、恐らく、

制作に励んでいると願い、恐る恐る、検索したところ、立派な制作活動を知り、恐らく、亡くなった父親がどんなに喜んでいるだろうと想った。