セピア色の葉書

7月から日本経済新聞の夕刊のコラム欄の「あすへの話題」が新しいメンバーになった。

 

13日の火曜日は、作家の山田詠美氏の担当で、「裏・川端三島対決」には

1968年に川端康成、三島由紀夫、伊藤整の三者による鼎談映像が、NHKで放送されたものである。

 

川端康成がノーベル賞受賞記念鼎談の言える映像に、筆者の夫がみつけた画面に、ある場面に気が付いたのであるが。

 

その発見については、省略させていただくとして、私には、筆者によれば

「人が良さそうで、、ちょっと地味な伊藤整が、自然と進行役になり」と

伊藤整に触れている箇所にある。

 

確か、私の文箱に生前伊藤整氏から、頂いた葉書があるはずと、記憶は

衰えず、確かにセピア色になった葉書がありました。

 

確か、伊藤整宅にお迎えに伺ったのですが、入れ違いになったことについて、丁寧な直筆の葉書に、恐縮したことを思いだした。

 

葉書の消印は「43 5.4」、昭和43年5月4日と、はっきり残っている。

 

今回改めて、検索してみると、翌年の昭和44年11月15日に亡くなったとあり、凡そ、1年半前は、体調を崩しているとは思えず、穏やかに対談を進めて下ったことを、懐かしく思いだした。

 

葉書は52年間の時を経て、すっかり、セピア色になってはいるが、私には

大切な編集者時代の思い出と共に、宝物である。

 

奇しくも、昨日から新暦の「お盆」であり、不思議な「縁」を感じた。