ヴァイオリンの日

毎週土曜日は資源ごみの回収日で、いつもの起床時間より、30分程、早く起きて、エレベーターで、ダストルーム迄運ぶ際に、エレベーターを利用する。

 

今日は、1880年に国産のヴァイオリンの第1号が完成した日と知る。

早速、検索すると、東京の三味線職人で、松永定次郎によるものだそうだが、どんな経緯でヴァイオリンの製作に取り組んだのだろうかと思った。

 

そういえば、まだ、小学校に入学する前だと記憶しているが、母親がピアノかヴァイオリンでも習わせたらどうかと父親と話していた。

 

ピアノは分かるが、当時私はヴァイオリンなる楽器を知らなかったので、

後にピアノ教室に通うことになった。

 

処が、私は左右が違うことを同時にするのが、非常に苦手だった。

お稽古の日になると必ずと言ってよいほど、熱を出すのである。

父親はカンカンに怒り、母親を責め、不穏な空気を子ども心に感じ取っていたのである。

半年も続かずに、辞めて、私自身はほっとした情けない思い出がある。

 

やがて、上京後、父親が貿易関係の仕事に長年関わっていた関係で、今度は津田塾のタイプライターの教室に通うことになった。

 

又、ピアノの時の悪夢が蘇り、成績も悪く、教師から、貴女はタイプライターは向かないみたいねといわれ、内心、ほっとして、怒られるのを承知で、両親に打ち明けた。

 

母親は「本当に不器用に生まれてきたのね。しょうがないわね」と、あきれ顔で、父親の承諾も取り付けてくれたのである。

 

そして、今も、パソコンに、その苦手さが残っている。

 

そんな不愉快な話はさて置き、私は、友人宅で、ウクライナ出身のヴァイオリニストで、ミッシャ・エルマンの奏でる音色に聞き入ってしまった。

 

何とも言えない柔らかで、温かく、私は、心が和んだものである。

 

今このようなコロナ禍の不安の時こそ、音楽の必要性を感じるのだが、悲しいかな演奏会にも、出かける機会もないのが現状である。

 

幸いなことに、私のマンションにUSEN放送が設置されている。

今日もそのUSENから流れる音楽を聴きながら、パソコンに向き合っているのである。