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講師依頼は自分の学習の場

 

思いがけなく診療技術部から「接遇マナー研修」の講師依頼がある。

 

コメディカルともいえる分野で採血、放射線科、エコーや心電図等の臨床検査科、リハビリテーション科、病院食や栄養指導の栄養管理理士など、それぞれ、幅が広い職種のスタッフへの研修である。

 

これまで、病院には大変ご縁が深いというか、お世話になっている立場でもある。

しかし、リハビリテーション科とは無縁で、この歳まで過ごしてきた。

 

幼少期に土地柄から、小魚をよく摂取していたせいか、骨折も捻挫もなく思い起こせば約1年前に、点字ブロックで踵を乗り上げた結果、歩くと痛いので、自宅近くの整形外科に寄った。

アキレス腱周囲炎とかで、湿布薬でお終いといった程度の経験しかない。

 

病院ボランティアをしていると、入院中の方や、通院の方で、時間的にも長くかかわっている職種はリハビリテーション科ではないだろうか。

 

「休むと元に戻ってしまうから」とか「痛いけれども、ここでしっかり頑張ってね」とか、かなり辛そうな表情が一番顕著に現れ、長い時間帯のお付き合いもあると、推察される。

 

もともとは、理論は習得済みのスタッフが対象なので、約2か月近く、密かに病気の方へのスタッフのかかわり方について観察を続けていた。

病気の方の目線で、スタッフを見ていると、いろいろといかがなものかという問題点が見つかった。

 

講習会とか、講義とかで、私と同様の経験をしている人もいるかと思うが、先に理論ありきは苦手である。

 

人は不思議に失敗談に理解を示してくれるように、表情から受け取れる。

後に、そういえばと理論につながっている。

新人研修は別だが、お浚い、復習でよいと思っている。

 

実は、講師依頼には事前に、何倍かの学習が自分に課せられている。

故に感謝し、学び直すのは私の方である。