肌寒さを覚えながら、外に出ると、植え込みの白い花が一凛咲いている。
思わず、「おはよう、ようこそ」と声を掛けたくなるほどの清楚で、昨日までの日常生活の慌ただしさを忘れさせてくれるような佇まいである。
白い花が好きな私にとっては、素晴らしい自然からのプレゼントでもあり
既に、季節は「秋」に移ろいでいるのだ。
先日の金木犀に始まり、曼殊沙華、次は山茶花へと、季節の出番を待っているのである。
昨年からの一年間、コロナ禍の下で、私もそれなりに努力してきたつもりであるが、振り返ると、思うようには進まなかった。
人間のように言い訳をすることなく、自然体で、季節を弁えている枯れ葉で疎まれているマロニエの樹にしても、次なる花芽を存続するためには、役目を終えた葉は枯れ葉として散り落とし、生き延びているのだと。
1978年の今日29日は、世界初の日本語のワープロが発売されたそうだ。
いまだにワープロが、使いやすいと言って、葉書の宛名には利用している友人がいる。
その後のパソコンにより、私もその一人であるが、検索すれば、即座に
答えに辿り着く便利さは、有難くもあり、その便利さが今後、更に進化の
糸目をつけないでいる。
勢いあるのみのIT社会と自然との折り合いを、人はどのように付き合っていくのだろうかと、複雑な気持ちにもなった。
いつしか、爽やかな白い花が咲いた喜びが、いつしか霞んでいく自分に対して、寂しさをお覚えた。