6時24分・10時11分

これって、なあ~にと。

今日の午前中、思わず、スマホの示した時刻である。

 

先ず、いつものように朝刊を一階のポスト受けに、廊下を歩いている時で

偶然、夜明けの淡い空に、満月とも劣らない、まん丸い月が、ビルの間から、顔を覗かせていた時刻である。

 

まだ、輝きには勢いがあり、廊下に立ち止まって見入っていたのである。

 

朝食後、新聞を開くのが、長年のルーティンになっている。

 

もうかれこれ、銀座で美術の商いで独立以来、40数年、相棒のような存在の日本経済新聞の一面のコラム欄の「春秋」を先ず、目を通すのである。

 

今日の「春秋」によると、気鋭の歴史学者の与那覇潤氏の著書である「知性は死なない」に、「病は知性を奪わない」と取り上げている。

 

日を追って、半年近く心身ともにウロチョロした私に、「病は知性を奪わない」という表現に、自分を取り戻す強力な栄養剤として、受け止めた。

 

更に、「病気ないではけっして成立しなかったような、あたらしい自分の相貌が生まれていることに気づく」と、与那覇潤氏の希望の言葉が紹介されている。

 

何とも、言葉では言い尽くせない納得というか、満足感で、私は足取りも

軽く散歩に出て、信号を待つ間、見上げた空に、キラキラと銀翼を輝かせ

機首を上げた上昇中の飛行機が視界に入った。

 

その時刻が、後者の10時11分だった。

 

「月と飛行機と青空」は、今や私にとっては「倖せのラッキーシンボル」になりつつある。

 

この状態で、午後の散歩にも、弾みがつきそうだ。