啓蟄に春一番

今日は24節気の一つ「啓蟄」である。

大体、3月6日ごろと記憶しているせいか、今日という認識が薄い。

 

冬ごもりしていた虫たちが、春の気配を感じて這い出して来るといわれ、

特に蓑虫が枝にぶら下がっているのを見付けると、そっと顔を近づけて、

恐る恐る中を覗いたふるさとを思いだす。

 

友人たちから、「啓蟄よ、そろそろじっとしていられない日が来たわね」

と、どうやら私はもぞもぞと動き出すイメージがあるようだ。

 

別に友人の期待に応えることなく、午前中に2件のスーパーマーケットに

午後は、印刷屋さんとの打ち合わせの後、友人との約束に「読むカフェ」を届け、後に友人との約束が夕刻に迫っている。

 

翌日の体力とのオーバーワークをを案ながらも、私はメモ帳の予定をクリアすることが、性分に合っている。

 

メモ通りに予定を進めていく達成感は、体調を超えて、満足感を超えた生きがいを味うのである。

 

印刷屋さんとの打ち合わせを終えた私に容赦なく、風がつよく、予報士からもしかしたら、関東には「春一番」の可能性が強いとあった。

 

これではと意気込んでいた関東地方の冬ごもりを終わった虫たちには、首を竦める北風に変わって居た。

 

どうやら、春一番に、虫たちはどうしたのであろうか。

私は、風の勢いに、これまでの「春一番」とは、記憶の中での季節感と違うと感じた。

 

散歩コースの都立高等学校の卒業証書授与式の溢れる笑顔に、今後の未来を託する卒業生に、心が和み、心の中でエールを送った。

 

春一番の強風に負けないでという想いが、この季節特有の「終わりから新しい始まり」に繋がる。

 

「春一番」と「啓蟄」の偶然性に対して、私は意味があってのことと思い知ったのである。