今、我が家の周辺は道路の両側に、「クリンサムセサムノースボール」と
些か長い花の名札が付いている。
私は、朝は眠そうに花びらを閉ざし、日が当たり始めると、ぱっちりと目覚める素朴ではあるが、この白い花が大好きである。
思わず、「おはよう」と声を駆けたくなる可愛さを感じる。
「ノースボール」と一般的にはいわれ、花言葉は「誠実」「高潔」と言われているのも、納得がいく。
この花を見るたびに、母校の小学校の運営協議会の会議に帰郷した母校のプランターに菜の花と、ノースボールが咲き競っていた。
どちらも大好きな花で、会議が始まる前、写真に撮りまくった。
2019年3月25日に、あさくちブルーの空に生き生きと、咲いている花が、まさか、この日を最後に母校に帰れなくなるとは想像もしていなかった。
その会議の席上でも、マスク着用で始まったのだが、その後、4月に「緊急事態宣言」が全都道府県に拡大するに至った。
そのために、母校の会議にも参加することはできなく、懐かしいふるさとや母校から、断絶せざる得ないまま、とうとう、今日まで、帰郷する機会を失したままである。
「クリンサムセサムノースボール」が咲く季節になると、胸が痛くなるほど、私には大切なふるさととの「縁」の花である。
幸いに、長持ちする花なので、何時しか、心が晴れる。
恐らく、今年もふるさとの母校の校庭の一角に、生き生きと咲いているだろうと、私にとっては忘れることのできない花である。