焦るなと言っても焦りたくなる足首の炎症に、ふと、10年近く前の記憶が蘇ってきた。
アキレス腱炎と診断されている足首の炎症に、嘗て点字ブロックを踏み損ねて、ぎくりと踵に痛みを覚えた時の症状が、今回と同じであった。
蘇った記憶とは、東洋医学というか鍼灸での治療である。
脳神経外科の手術後、新型コロナウイルス禍もあり、遠のいていたいたが
思い切って連絡を取った。
彼是私の自律神経失調症を治療して頂いた鍼灸院であり、足首の炎症も治療に短期間で回復して記憶が、今回、藁をすがりたい焦りに、即座に治療を決意し、出かけた。
永年の私の体質を心得ていたはずが、何故か私はしっくりいかないものを感じていた。
時の流れがなせるものか、信頼感の質の違いに気が付いた。
治療を終えて、自宅までタクシーを利用して帰宅するタクシーから見える街並みは既に明かりが点り、久しぶりに神保町界隈を通り抜ける際は、古書店を歩き回った懐かしいセピア色の紙の匂いを思い出していた。
何故か、治療より、タクシーから見える変わりゆく街並みを楽しんでいる私がいた。