夜の白梅

いつものように、定時に起きようとしたが、どうしても、起きられない。

 

春本番の暖かい日、とか、4月並みの陽気とか、天気用で報じられているというのに、ぐったりとして、直ぐ横になってしまう。

 

それでもと、頑張って、カーテンを明けて、外の空気をと、ベランダに出ると、刷毛を引いたような薄い雲が流れている。

 

ぼんやりとその雲の流れを目で追っているが、やはり辛くなる。

全身が、疲れた、疲れたと訴えている状態である。

 

もう、仕方ない、休養日と決めた。

熟睡ではなく、眠りが浅く、時折、起きようとするが、しんどい。

 

気が付くと、夕刻6時を過ぎていた。

やっと、起きる気力が出てきた私は、近くの公園に出かけた。

 

マスク越しに、甘い香りに見上げた先に、街路灯に照らされた白梅が開花していた。

 

今日の春本番の暖かさに、一気に白い花が開いたようで、今年も律義に季節を届けてくれたのである。

 

夜の帳に、白梅が明かりを通して、立体的に見えるところが好きで、毎年私は楽しみにしている。

 

体調が優れなかった私には、素晴らしいプレゼントに成った。