文字を言葉を追いかける

朝から小雨に、今日のラジオ体操は自宅で壁と向き合って済ませる。

 

気温も10月中旬並みとの予報に、図書の返却期限が近く、ならば「読書の秋」と決め込む。

 

座右の書でもある鷲田清一氏の「聴くことの力」で、中井久夫氏の存在が鮮明に、記憶に残っていた。

 

最近、みすず書房から最相葉月氏による「中井久夫 人と仕事」の発刊をキャッチし、私の手元にある。

 

毎晩、ラジオ深夜便を聞き流しながら、読み進むうちにながら族では、ちっとも内容が理解できなく、行きつ戻りつする状況に、今日はもう一度、頭をクリーンにしてしっかり、じっくり読むとした。

 

かの最相氏を通して中井久夫氏の全体像が克明に記されている。

 

「ヒィブリス」つまり「傲慢」という言葉に、特に興味を持った。

 

というのは母親が常日頃「マリ子、傲慢にならないように気をつけなさい、謙遜の心を忘れないでね」と口癖であった。

 

文字を追いかける、言葉を追いかけるという思考回路に、関心を持つと、とことん追求したくなる性格を持っている。

 

傲慢に始まり、高慢、虚栄心、自尊心、謙遜と思いつくままにトライするのが、堪らなく私には楽しく、止まらなくなってしまう。

 

因みに中井久夫氏によれば幼いころ、母から傲慢を戒める為にカトリックでは、「ヒュブリス(傲慢)が最大の罪と聞き、私も「フュブリス」とは無縁でありうるはずがない」と考えて来たとある。

 

既に幼いころから、真摯に人世に向き合う姿勢の違いに、謙遜しか残されていないと気付く。