正月事始め

今日は正月事始めだそうだ。

 

両親を見送って以来、お正月を意識して特に何かしなければといった慌ただしさは彼是20年近く失くしている。

 

料理学校で和洋中華と3年近く学んだが、永年親しんだ我が家の伝統料理を両親は望んだ。

 

欠かせないものは慈姑、八つ頭、百合根、銀杏、柚子、三つ葉といった個性的な材料に、鰹節は削り器でといった細やかな注文も今は懐かしい思い出になっている。

 

正月用のメニューは、父親の希望に沿ったリストを母親と作り、昆布、椎茸、海苔などの乾物類のチェック等から始めた記憶がある。

 

父親の好きなきび餅、粟餅、私が好きな黒豆餅が小晦日に届いた。

 

改めて今日が、正月事始めを意識することなく、来る新しい年を迎えるにあたり、コツコツと日持ちのするものを準備したものだ。

 

食いしん坊の私はお正月料理を正月事始めと思い込んでしまったのは、お恥ずかしい限りだ。

 

最近はお節料理もネットで予約する人が多く、コンビニでも今年は取扱うことは止めたと聞く。

 

多様性の世の中、それぞれがそれぞれを必要とする人が購入すればよいわけで、食品ロス防止にもなると思った。

 

いよいよ70代最後の年を迎えるにあたり、せめて悔いのないように人生の棚卸をスタートする今日を、私の正月事始めとする。