新型コロナ禍の中、社会との関りが制約される息苦しさに、私は何とかして外の風が恋しく、一刻も早く飛び出したいとの思いが駆け巡っていた。
じっとしているのが苦手な私は、マグロちゃんと言われているのに、このままでは失速、窒息死するのではないかともがき続けた。
アップアップしている私に友人は、「今の苦しみは生むために必要なのよ
何かを始めようとしているのね」と、さらりと言いのける。
その通り、2022年末に地域の独りぼっちの高齢者に、気楽におしゃべりの
できる交流の場として「ぼっちの会」を立ち上げた。
敢えて「ひとり」という表現には「一人」と「独り」の両者に拘った。
独りぼっちには、身内が少ない、子供たちとは別世帯、日中話し相手がいないとか、一人住まい等々、と相手の気持ちを尊重する場とした。
難産だったが、3年目に突入した。
こじんまりと「ぼちぼち」と途切れなく続いている。
別れ際には、表情が和らいでいるのが何より支えに繋がっている。
そんな矢先、5月15日の日本経済新聞の見出しに高齢者「孤独死」1.7万人とある。
年間にすれば、約6万8千人の高齢者が独居状態で死亡と続く。
背筋が寒くなる想いとともに、紛れもなく私も「独居老人」に仕分けされるわけで、「ぼっちの会」はもしかしたら私が一番必要としている場ではないだろうか。