リハビリの帰路、長年利用していた銀行口座の利用がなくなり、解約手続きをすると決め、銀行に立ち寄った。
窓口で趣旨を伝えると、対面での手続きは予約制との説明があり、ベンチを見ると、私と同等の年齢の人が目につく。
「お客様、スマホをお持ちですか」と、「ええ、まあ、物騒な世の中なので記録を残しておきたくないのですが」「わかりました」
奥から担当者が出てきて私の不安を一掃するかのように、実に優しく丁寧な応対に、スマホでトライすることにした。
システムに乗れば手っ取り早いが、何しろ利き手の右手がままならず、入力ミスをするも、おだやかに付き合ってくれる。
解約の手続きなど、ウェルカムではないのに、さすがと解約するのを止めようかなと思うほどの、素晴らしい女性の行員であった。
それで、思い出したのは、先月9月のことである。
先日の転倒で上の前歯が一本ぐらついているし、歯科医より指定のオーラルケアを続けている商品が残り少なくなった。
スーパーに買いに行くと、令和の米騒動と同じく売り場から商品がなくなっている。
売り場には入荷の予定が表示されていたが、少なからず、不安を抱えたまま自宅で、製造販売元のお客様相談窓口に電話をした。
さすが大企業、恐らくAIの応答と思われる音声で、企業姿勢を延々と流され、パソコンでの問い合わせを勧めてくる。
私も手が動けば、パソコンを利用したいところだが、それが叶わない状況のために電話を利用したのである。
延々と続き、やっと終わったと思った途端、実に事務的な返事がかえってきた。
確か「このお電話はお繋ぎできません…」だったか「このお電話にはお答えできません…」と、そのあとの内容にも愕然とした思いが強く、久しぶりに私は「瞬間湯沸かし」状態になったからである。
先の製造販売会社は、信頼しているだけに怒りを覚えたのだった。
企業の「陽と陰」というか、「温と冷」を味わった。