1979年から今も同じことが続いている。
それは何かと言えば、美術品商時代の決算月は10月末だった。
決算月が近づくと、伝票に始まり、筆記道具、社名入りの便箋、封筒などが、残り少なくなる。
特に著しいのは、ボールペンの芯が「ハイ、これまでよ」と掠れ始め、物の見事に無くなるのである。
実は、何か一区切りすると、必ずといって良い程、未だに同じ事が起こるのである。
そろそろ、世間では私も賞味期限切れと言われても、受け入れる年齢である。
寧ろ、その方が楽だと思う時間も多くなった。
気がつくと、名刺も数枚になって来たので、いよいよ名刺ともお別れしても良いと思った。
ところが、未だ必要とする思わぬ方向に進み始めている。
慌てて、名刺を印刷する事になり、内心、悪い気持ちはしない。
何処かで正直なところホッとしている自分がいるのを浅ましくも思うが、事実だ。
印刷しながら、これを使い切ったら、恐らく賞味期限切れだと思っている。
更に1979年と変らず、ボールペン、シャープペンシルの芯も数日前に無くなった。
この不思議な事がいつまで続くのかなと想いを馳せながら、買い求めに出掛ける足どりは軽い。