啓蟄の日に、「1500字」に挑戦した回答は、休日を除いて約一週間との自動受信の返事だった。
几帳面に日を追って待っていたが、返事はない。
遂に、私は我慢出来なくて先方に電話を掛けて問い合わせる行動に出た。
この「1500字」には、私よりある相手が返事を待っていることが痛い程、伝わってくるからだ。
幸いにも電話口の女性は、事前に確認した私のことを記憶していた。
直ぐに担当者に取り次いだとの返事だった。
電話口の女性に、未だに回答がないことはと尋ねた。
その女性は、申し訳ないが、一週間連絡がない場合は、不採用を意図しているとの返事だった。
電話口の女性の応答から、致し方ないことで終わっても良い立場だが、温もりのある謝罪の気持ちが汲み取れた。
今、街中の彼方此方にリクルートスーツを装って緊張している多くの就活に足早に歩いている風景に、私は、歳のせいか、心配になった。
今は、就活も自動受信から始まるのだろうか。
一定期間、返事がない場合は不採用ということで済まされているのだろうか。
もし、それが至極当然の時代であれば、就活中の学生は強いというか、逞しい精神力に言葉を失う。
既に、社会に巣立つ以前に「挫折感」の洗礼を受けるのだ。
50年前、私は自宅のポストに会社名の封筒が入っているだけで、怖くて緊張したものだ。
そんな浦島太郎の様な話は、さて置き医療の現場では、回答をしないという行為は許されない。
因みに、数社の同業者を調べると、「担当者から連絡します」とある。
アナログ的に、肉声なんてことは望んでいないが、サービス業であるだけに残念だ。
然し私はクレームをつけるつもりもなく恨んでも、悔しくもない。
何故なら、私が求める相手を間違えただけである。
負け惜しみでもなく、次回に同じ失敗を繰り返さないために、大変良い勉強をさせて頂く機会になった。