これぞ「あさくちブルー」の素晴らしい故郷の青空に迎えられ、62年振りに母校の学芸会に帰った会場は、緊張と熱気に包まれていた。
今年の5月には運動会に、やがて半年になる今年の一年生による長野県の民話「ふくろうのそめものや」には、私は想像を超える成長に驚いた。
各学年も練習を重ねた結果に、とても叶わない底力というか、パワーを秘めていると実感した。
残念ながら私は小学校時代は病弱のために、遠足、運動会、学芸会等の、ワンチームで活動する機会が少なく、学芸会も丸で初めて喜びを味わったとも言える。
こんなにも努力の結果には、達成感があるという事も今回体験できた。
母校に帰る度に、もう一度出来うるならば、母校の小学校で学び直したいとの想いを改めて強くした。
「ふくろうのそめものや」は民話だが、私にとって最も大切で座右の書とも言える絵本をいつしか重ねていた。
それは1961年1月1日に福音館書店から出版されたワンダ・ガアグ文・絵で石井桃子訳の「100まんびきのねこ」である。
この出版にあたり、福音館書店の編集担当者が、子ども向けでしかも3歳児から、全てが「黒一色」の絵本に、絵本といえばカラフルなイメージがあるだけに、当時としては、大英断だったという後日談を新聞か、何かで読んだ記憶がある。
その時、「黒一色」と思われたが、物語の展開で、色が見えると子ども達は反応を示したとも聞いた。
「ふくろうのそめものや」から、私は演じ切っている1年生から、同じ様な想いを持っている事に気付いていた。
僅か3時間程の学芸会だったが、また母校の子ども達からパワーという素晴らしいプレゼントを貰った。