一進一退するヘルペスに、再度診察を受けた。
外観上は、殆ど回復しているが、念の為にと、もうワンクール抗生物質を服用するとなった。
ここが、私の幼児体験がフラッシュバックして、特に新型コロナウイルスに敏感になっているだけに、ドクターの診察を受けた段階で、気が軽くなる性格はまだヘルペスの水疱瘡の菌の如く、中々不安感を払拭するのに時間がかかる。
もし、納得出来る診断が出ればと、朝から私はバックの中に、ある書類を一式持って病院に出かけた。
お陰様で、シブトイヘルペスもこれで終息すると思った私は、バックに忍ばせて来た書類の手続きに区役所に足を伸ばした。
実は、私は今日の3月5日を持って前期高齢者が終了する日である。
丁度、病院と区役所は5分程の位置関係にあり、早速、国民健康保険高齢者受給症も後期高齢者医療日保険証に更新前日で、これまでの住民基本台帳カードの期限も半年後と、凡ゆるタイミングで、マイナンバーカードの申請が必要の時期もだった。
コロナウイルスのせいか、矢張りいつもより区役所も空いていた。
窓口で丁寧な説明を聞き、いざ、書類に捺印の際、ポシェットにいつも爪切りや小鋏を入れていた小鋏に、印鑑を探す際に、右の親指の爪の近くを切ったらしい。
というのは、痛みも無く、いざサインと捺印をしようとした際、今にも溢れんばかりの鮮血に気がついた。
窓口の担当者の男性は、近くの印鑑拭きの髪を凡そ10枚程、私に渡し「大丈夫ですか。血が止まりませんね」というや、席を立ったのである。
私は、血の気は多いが、こんなに止まらないことは珍しく「セロテープを頂けますか、強く締めますから」
窓口の男性の担当者は、今バンドエイドを手配していますから、暫くお待ち下さい」
更に、高齢者になると、証明書用の写真が無料サービスもあった。
「バンドエイドで止めて、落ち着いたら、写真は撮りましょうか」
間も無く、女性が、一枚で無く予備を用意して持って来てくれたのです。
「チョット出血が激しいし、鋏で切っているので、出来れば、又病院で診てもらって下さい」と、中々身内でもこれだけの心配りをしてくれないのではないかと。
数分後、写真を撮り終えて、病院に戻ると、医療相談に幸運にも旧知の看護師が、どの程度か状況を診て貰うと、お陰様でで、止血していたので、改めたテープで処置して貰った次第である。
改めて、区役所に戻り、窓口で丁寧な対応の担当の男性に、報告とお礼を済ませた、私は、前期高齢者と素晴らしいお別れが出来たと幸せを感じていた。