病院ボランティアを辞す

数年前から、私は凡そ30年近く続けた病院ボランティアの引き際を考えていた。

亡くなった母親からの宿題と受け止め、気が付いてみると、私にとってライフワークの一部になっていた。
30年近くの時を経て、医療にも変化があり、特に最近では、医療技術の進歩により、入院期間が短期間で退院出来る状況になってきた。

高齢者の看取りまでの病院や、緩和ケア病棟での「お話し相手」としての活動の機会が多く、病気の方から、大変多くの学びがあった。

病気の方という目線でなく、ご縁という想いでお話をして来ましたが、気が付くと私が元気を貰っているのである。

亡くなった母親は、私の性格を見抜いて、病院ボランティアを通して、協調性や忍耐力の乏しい私に病院ボランティアを宿題として残して行ったのではないかと思っている。

実は、30年近く続いていた自分に、もう宿題として卒業しても良いのではないだろうかと、これまで抵抗無く活動をしてきたが、少しずつ疲れを覚え始めた。

ボランティアが健康的で、体調もベストでなければと思って来た私は、限界を感じ始めたのである。

丁度、今年の3月で後期高齢者の仲間入りをしたのを機に、年内にと決めていた。
6月4日をもって、病院ボランティアを辞する決意をした次第である。

次の「新しい生活スタイル」迄は考えていない。
今、私には溢れる情報社会に無理せず「ケ・セラ・セラ」で良いと。