ビタミンカラー

薄紙を剥ぐように、体調が回復しているの感じた。

 

更に元気を取り戻したいと、最近のスーパーの食品でも、特に、ミカンを始め、ビタミンカラーを多く見かける。

 

そうだ、ビタミンカラーの補充をしようとミカンを目的に出かけるはずが急に、カボチャと焼き芋に気持ちが変わった。

 

まだ、冬至には一か月以上先であるにも関わらず、カボチャと、焼き芋のビタミンカラーを選んだ。

 

最初はミカンを求め、一度は手に取ったのだが、幼少期の出来事が脳裏をかすめたからだ。

 

父親の土地引き先から、木箱で、数個ミカンが届くという恵まれた環境にあった私は、食後、おやつ等々に、しかも一個ではなく、数個単位で口に運んでいた。

 

ところが、母親が、私の眼球を始め、皮膚にまでが、真黄色になっている

変化に、母親は常に病弱な私に敏感になっているため、慌てている姿が今も鮮明に残っている。

 

また、何か、体に悪いことが起こっていると察した私は、嗚呼、またかと

暗い気持ちでいた。

 

かかりつけの先生が、にっこりしながら、私に「ミカンをたくさん食べ過ぎて、ミカンの色素が出ちゃったので、これからはミカンを食べるのは、

一つにしようね」と。

 

実は、幼少期の体験がトラウマになって、現在でも、ミカン生産者や販売関係者には申し訳ないが、自らミカンを購入する勇気がないままでいる。

 

結局、おやつにほっこりとした焼き芋、夕食にカボチャを煮て、ビタミンカラーを食した次第である。