コロナ禍で、美術館にも足が遠のいて、久しくなる。
間もなく来月から開催される国立新美術館の「メトロポリタン美術館展」で、新聞紙上に掲載されている名画の一つが気になっている。
幸い、土曜日、気になる要素はクリアしないと、落ち着かない性分の私は検索した。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「女占い師」の作品と知った。
日本では初公開だそうだ。
画面の右側の老婆が「女占い師」で、その周囲には若い男性一人を、若い女性たちが取り囲んでいる。
画面上から、「女占い師」が占い料を受け取ったその瞬間の、取り巻く男女の「眼差し」が、気になったのである。
恐らく男性が支払った時の中央の男女の「眼差し」というより、強烈すぎるが、「目つき」といった感情が表出している。
一方の女占い師にも、正当な報酬に対して、その場の雰囲気から、説明が
必要と、やはり、見開いた目から、声が聞こえて来そうだ。
何となく、画面全体からは釈然としない雰囲気が流れている。
こんなに、じっくり名画に対して、自分の思うままに独断ともいわれそうだが、楽しんだのは、久しぶりである。