馬刺し

今日は三日連続の真夏日と言われるだけあって、マスクをかけての散歩は日傘をさしても、何となく、全身が熱っぽくなる。

 

数日前に、マスクについて、政府の見解によれば、屋外で距離が2メートルあればとのことだが、例え、一人で散歩をしていても、なかなか、マスクを外す気にはならない。

 

もともと、呼吸器系が弱く、体調不良のシグナルの一つに、いつも、何故か、左の喉が赤くなるのである。

 

嗽をするのも、左に重心をかけて、ガラガラすといった次第である。

日差しの強さにまだ慣れていないので、踵を返して、夕刻にノルマ達成に

再挑戦すると決めた。

 

夕刻、まだ、足元には日中の真夏日の余韻が残っていたが、一寸、コースを変えて歩いていた先に、居酒屋があった。

マスクは何処か、美味しそうに、楽しそうに、数人の仲間と、ビールを飲

んでいる風景に出合った。

 

ついつい、私もあまりにも、コロナ禍前を思わせる居酒屋の賑わいに、店先のメニューが気になった。

 

メニューを追っていると、「馬刺し」が目に飛び込んだ。

 

嘗て、年に一度、数人のゴルフ仲間と、各地のゴルフ場に出かける中で、

地元の名物であるランチタイムに、楽しさが増すのである。

 

誰ともなく、ランチは何たって「馬刺し」で決まりといったのだが、私は

「馬刺し」は、まだ食べたことがなく、不安な気持ちが過った。

 

しかし、「馬刺し」を一口、口に運んだ時、一瞬にして、私の不安は払拭したのである。

 

「美味しい」と声に出して、一気に平らげた。

 

それ以来、「馬刺し」を食べる機会がないが、何と、我が散歩のテリトリーにあるかとわかり、何時か、友人と一緒にと、その日が来るのが楽しみにしている。