どうやら、命日をきちんとそれなりに父を偲んだつもりであったが、またまた、亡き父親との思い出が残っていた。
今日は24節気の一つ、夏至である。
それで思い出したのだが、ふるさとで生活している時、神戸時代から使っていた頑丈な木製の冷蔵庫があった。
父親は、食べ物に敏感な人で、夏至が来ると、母親に冷蔵庫を使用するようにと指示していたのである。
今のような冷蔵庫とは想像できない、その頑丈な木製の冷蔵庫には、氷室と言われる部分があり、そこに、駅前にある氷を商いにしている業者さんに毎日、氷を運んでもらっていた。
非常に品質は衰えず、特にふるさとの産地の白桃や、葡萄が冷たく、私は
冷蔵庫を開けるのが楽しみであった。
父親は取引先から、明石のタコの届け物があると、近所の魚屋さんに頼み
晩酌のお供にして舌鼓を打っていた。
やはり、この季節のタコは明石に限ると言いながら。
夏至から冷蔵庫の思い出に繋がるとは予想だにしていなかったが、懐かしいふるさとの思い出が、最近次から次へと拡がっているのは、私の中には
僅か、17年間、ふるさとで過ごした時間が充実していたのかもしれない。