マリ子さ~ん

午前中の予定を終えて、自宅に帰ろうとしていた矢先、後ろから、「マリ子さ~ん」と聞き覚えのある声が背中越しに聞こえた。

 

思わず、振り向くと、20歳時代からの親友で、時々、地元の実家に帰っているという友人だった。

 

77歳で、未だに名前を呼び合う友人は少ないうちの一人である。

 

奇しくも、お盆を機に、実家に帰っていたので、私に会えるかなと思っていたらしく、偶然、巡り合ったという次第である。

 

マスク越しで、お互いにそれなりの人世のキャリアが見られるものの、直ぐに、気持ちは嘗ての青春時代に戻るのである。

 

そして、暫くすると、現在の置かれている近況に話が及ぶのである。

 

其の後、私はふるさとの親友が何故か気になり、電話を掛けた。

 

3年前に彼女と、75歳までには後継者を作り、自分の時間を持ちたいねと話し合っていたが、何故か、二人とも、世間の柵に巻き込まれて、その処理に全力を尽くして奮闘していると聞いた。

 

立場こそ、違うが私も、目覚めると、今日は何事もなく穏やかに過ごせますようにと願うのは束の間で、あれよあれよという間に、問題が山積している毎日が続いて久しい。

 

何度、目をつぶって、「もう、これきっり」との願いは届かず、翻弄されている自分に唯々、諦め、明日に希望を繫ぐしかないと言い聞かせて。

 

ふるさとで頑張っている親友に、心から、負けないで、身体に気を付けてと祈る想いでエールを送ると共に、私も頑張ろうと、自分にエールを送ろうと想った。

 

 誰しも何らかの苦労はつきものであり、とにかく、置かれた状況下で、生きていくしかないと、思い乍ら三連休の中日は終わった。