ポストに分厚い通販のカタログが入っていた。
年齢から言って、最近は、ドレッサーや箪笥の中で、眠っている袖を通したこともない洋服類もあり、極力それらを着用しようと決めている。
しかし、下着類やパジャマは消耗が激しく、定期的に購入をしているために縁は切れないで、今日まで凡そ、25年近いお付き合いである。
ところで、今冬は今夏に続き、節電の要請というか、要望が在るせいか、
またまた、小池都知事のクールビズに変わり、今回はタートルネックという具体的な事例が提唱されている。
その成果、カタログにも、タートルネックに匹敵する商品の紹介が多く、
目につくが、私は、そのタートルネック類が、苦手である。
というのは、加齢もあってか、前開きのカーデガンの方が着脱が楽であり
もっぱら、被り物は避けている。
日本経済新聞の11月24日のコラム欄「春秋」に、編集者時代に何度か、撮影時にご一緒させていただいた写真家の林忠彦氏は、文士の肖像を撮り続けたと記載されている。
さらに、1960年代後半の売れっ子文士になると、タートルネックのセーターが目立つのだと。
開高健、安部公房、遠藤周作、丸谷才一に続き、今も、五木寛之氏は着用しているとの、編集時代に御目に掛かった作家の方々を懐かしく思いだして、そういえば確かに、タートルネックだった。
林忠彦氏も愛用していらした記憶があり、撮影の前に、編集部の隣にあったお店の「蒸寿司」を美味しそうに召し上がっていらしたタートルネックの姿が思いだされるのである。