嘗て美術の仕事に携わってきた人間として、私は、14日の日本経済新聞の14日夕刊の「文化往来」の記事を読んで、嘗て、「メセナ」という「芸術文化支援」という芸術や文化への支援活動を思い出した。
昨年11月30日に日本交通文化協会が都内で、公共事業費や公共建築費の役い%をアートに充てる考え方「1%フォー・アート」というシンポジュウムを開催した時に遡る。
建築家の隈健吾氏や東京都美術館の高橋明也館長らによる海外のパブリックアートに対する取り組みやその効果についての議論をしたという記事に
ついて、「公共事業費の1%をアート」の討論を交わしたいう内容の記事である。
私は、嘗て美術品商として、設計事務所並びに施工業者に対して、完成時の記念品として美術品を提供する考え方を通して、企業努力をしてきた。
お陰様で、設計事務所を通しての施工業者への説得力は明晰で、予算的に
本来であれば、彫刻が、絵画が、レリーフがといった想いが、予算的に叶わない時に、設計事務所と施工業者により、美術品を寄贈するという提案を、企業努力をしてきた。
嘗て「メセナ」と言われるフランス語で「芸術文化支援」と言われる支援活動がスッポトライトを浴びた。
偶然にも私はその時代に、企業と言わる設計事務者やゼネコンに働き掛けて、美術品を寄贈してもらう経営姿勢に徹してきた。
今回の「公共工事費の1%をアートに」という提案に対して、私が働き掛けてきた違いは、「公共工事費」という点である。
当時、「お役所」からの発注に対して、民間企業からの寄贈はデリケートで、歓迎されない提案であったが、今「公共事業費の1%をアートに」と言われる「1%フォー・アート」というメッセージの発信に対して、私としては、諸手を上げて賛成する。
公共事業費に対する様々な思惑の柵に汚されない、クリーンな作家の作品が選択されることを願っている。