俎上の鯉

今日は、区の健康診断に出かける。

今年の私は、恐らく飛び上がるような最悪の数値が羅列された結果を受け取るであろうと、覚悟をしている。

 

正に屠所に引かれていく羊のような心境である。

 

昨日から、天気予報では10年に一度の寒波襲来との大雪に対する警告が報じられ、なるべく不要不急の用事は控えるようにとのことだが、私の場合は今月いっぱいが期限なので、もう逃げられないと自分に云い聞かせているのだが、気が足が重い。

 

3年続いた新型コロナの影響で、これまで、「マグロ」に例えられるように

動きまわていた生活を、引きこもらなければならなくなった為に、あらゆるこれまで通りにいかなくなった。

 

この順応性のない私の性格が、永年の生活を何とか続けたいと藻掻き続けた結果が、体調に変化をきたしたのである。

 

75歳で一区切り、次のステップにと準備していた目標が、ストップすることになったのである。

 

私だけではないと、思い直すも、兎に角、外出するにしても、人と会うにしても神経質になってしまう自分がいる。

 

凡そ、3年続いたコロナ禍で、楽しいひと時を過ごした日々を思い返すと、ほんの僅かしかない。

 

コロナ禍以前は、保健所からの健康診断の案内が来ると、今年の数値はと

楽しみにして、早々に予約をしたものだったが、この3年間は何となく気が重いのである。

 

「俎上の鯉」と決めた私の気持ちは、不思議と落ち着いてきた。

検査の結果をこれが私の現実と受け止め、逃げないで、真正面から向き合うという気持ちに変わってきた。

 

帰路、如何にこれから、健康的な数値に戻すことが、楽しみになってきたのである。

 

既にすっきり気持ちをリセットした自分がいた。