今日4日の日本経済新聞の夕刊に立教大学名誉教授の鳥飼久美子氏が「あすへの話題」に「大丈夫」について、様々な切り口で掘り下げている。
その一説を紹介すると、『「大丈夫」はもともと「頑固なさま」や「間違いなく、たしかに」を意味するが「必要・不必要の意を確認する」時にも使う』とある。
嘗て、病院ボランティアをしている時、非常に辛そうにしている方に私は
「大丈夫でいらっしゃいますか」と、即座に厳しい表情で、「大丈夫じゃないですよ、見ればわかるでしょ」と。
厳しい指摘に、改めて、「大丈夫」という言葉を、無造作に使っていたことを悔やんだ。
ある時、司馬遼太郎氏の「風塵抄」で、「大丈夫」について、「曖昧な言葉」だとあった。
確かに「大丈夫?」といえば、反射的に「大丈夫」と反応する。
先の病気の方からの指摘を、それ以降「大丈夫」について、具体的な一言を添えて、末尾に「大丈夫でしょうか」と。
因みに、久しぶりにセピア色の三省堂の新小辞林で「大丈夫」は、『あぶなげのないさま。確かなさま』とあった。
いやはや、日本語は奥行きが深いゆえに、興味を持ってしまう。
本当に、久しぶりに苦い体験をした「大丈夫」を懐かしく思い出した。